名義変更の書類を写真から自動作成——書類自動作成ツールのこと
運輸支局(陸運局)の窓口で、こんな場面を何度も見てきました。
普段は行政手続きと縁のない一般の方が、クルマの名義変更のために書類を持って来られたものの、実印を押した書類に書き損じが見つかる。相手の方にもう一度実印をもらい直して、後日あらためて運輸支局へ足を運ぶことになる——そんな場面です。書き直しとなれば、相手が遠方の場合は郵送のやり取りだけで何日もかかりますし、平日にもう一度時間を作って窓口へ行くことになります。
譲渡証明書や委任状は、決められた事項を決められた欄に書き写すだけの、いわば定型的な書類です。それでも、実印を押す書類だからこそ、書き損じたときの影響は小さくありません。この時間の無駄を、なんとかできないか。それが本サービスの出発点でした。
できるだけ楽に——行き着いた答えが「写真から転記」でした
書類づくりを、できるだけ楽にしたい。そう考えて行き着いたのが、「書き写す」のではなく「写真から転記する」という方法でした。
クルマの名義変更(移転登録)に必要な譲渡証明書と委任状。車検証と印鑑証明書の写真をスマホで撮ってアップロードするだけで、AIが氏名・住所・車両情報を読み取り、PDFに自動で転記します。申請書(第1号様式)の記入見本も一緒にできあがります。あとは印刷して実印を押し、譲渡年月日など数か所を手書きすれば完成です。
実印の書類に、消しゴムは使えない。——書かない、迷わない、間違えない。そんな書類づくりを目指しました。もっとも、AIの読み取りには誤りの可能性がありますので、結果は必ず原本と照合してからお使いください。それでも、手書きで書き写す箇所が大きく減るぶん、「書き直して、実印をもらい直す」場面は起きにくくなります。
アプリはクルマの名義変更 書類自動作成(譲渡証明書・委任状)からお使いいただけます。対象となるお車の条件や詳しい手順は、クルマの名義変更 書類自動作成の詳しい使い方(紹介ページ)にまとめました。
プログラマーではない私が、AIの力を借りて
私は宇都宮市で行政書士事務所を一人で運営している、ごく普通の行政書士です。プログラミングの正式な訓練は受けたことがありません。それでも、最新のAI「Claude Fable(フェイブル)」が一般公開されたとき、「今なら、ずっと作りたかった道具を形にできるかもしれない」と思いました。これをひとつの機会ととらえ、AIに相談しながらコードを書いてもらうやり方で、このサービスを開発しました。なお、開発を手伝ってくれたAIと、サービスの中で書類を読み取るAIは別のものです。
運営費用について、正直にお話しします
本サービスは、1件の処理ごとにAIの利用料(API料金)がかかっており、その費用は当事務所が負担しています。多額の赤字になるような場合は、残念ながら公開を取りやめることもあります。その点は、どうかご了承ください。
そのうえで、もし書類作成で「助かった」と感じていただけたなら、作成完了後に表示される応援チップで支えていただけると、とても嬉しく思います。もちろん任意ですので、お気持ちだけで十分です。
おわりに
実印を押す書類の訂正のために作り直して、また運輸支局へ——そんな時間の無駄を防げれば、本当に嬉しく思います。そして、申請する側だけでなく、書類をチェックする行政の方の負担も、少しでも軽くなってほしい。その両方に本サービスが役に立てたなら、作った者としてこれほど嬉しいことはありません。

